こんにちは、りょうです。


これまで、富士スバルライン、大弛峠と、自転車で登れる2,500m級の道を登ってきました。


残るは、自転車で行ける一番高い場所、標高2,700mの畳平がある乗鞍岳に行きたい! 


と、そうずっと思っていました。


乗鞍岳をたっぷり楽しもうとするなら、輪行で行って松本を早朝に出たいところですが、松本駅に早朝に到着するムーライト信州は、予約制で、登山客で予約があっという間に埋まる人気列車。


しかも、乗鞍岳は、松本駅からエコーラインの入口である乗鞍観光センターまで41kmの上り。


余裕をもって1泊2日で行かなければ、核心エリアを楽しむ事はできません。
しかし、自分だけの遊びで1泊2日なんて、家庭持ちには時間的にも、金額的にも厳しい!


しかも、予約してしまえば天候次第で前日になって、DNSという訳にはいきません。


そうです。乗鞍岳は東京の家庭持ちのサラリーマンが行くにはハードルが高い場所なのです。


何かよい方法はないのか?


 そこで考えたのが、有志を何人か募ってレンタカーを借りて夜行で行く、乗鞍弾丸ツアー!


天候を見極めてから決行すれば、予約してからDNSのリスクはなく、時間も経費も少なく抑えられる。


問題は、有志が集まるか。
天候を見極めてから決行判断した時に、レンタカーの空きはあるか。


幸い、別のライドの時にこの企画を提案した際、乗鞍岳を上りたいと言ってくれた、HAOさん、HIGIRIさん、NOBOOさんという有志がいらっしゃいました。


もっとお誘いしたい方はおりましたが、レンタカーのキャパを考えると、4人が限界か。


みんなで相談し、8月23日(日)を決行の日と決め、後は天気予報とにらめっこ。


21日(金)の段階で、23日(日)は快晴ではないものの、雨は降らなそうということで、決行を決定。



しかし、その段階でレンタカーを探すものの、空いているのは、業務用のロングバンのみでした。


乗用車のワゴンとちがって、荷室は広いものの、後席はベンチのような作りで、お世辞にも快適とは言えません。


ただ、ロードバイクが車輪を外さずにそのまま、4台乗るというメリットがあります。


この時点で借りられるのが、これしかないとなれば、背に腹は変えられません。
8月22日20時。荻窪駅前に集合していよいよ出発!


自分の友達とだけでレンタカーで出かけるなんて、大学生以来でしょうか。
家族旅行とはまた別の楽しさで、まるで、遠足のようにワクワクします。
 こういうのも、たまにはいいですね。


府中インターから中央道に乗って、松本インターまで、休憩を入れて約4時間。


途中、談合坂SA.諏訪SAでNOBOOさんと運転を交代、休憩などを挟みながら、乗鞍岳に向かいます。


松本インターチェンジからしばらくは一般道の緩い上りですが、道は段々山の中に入り、結構な坂になって来ます。


松本、乗鞍岳の間は、なかなか自走では厳しそう。しかし、深夜にもかかわらず、荷物を積んだ自転車が走っています。


若い学生のようでしたが、心の中で、がんばれーと応援させて頂きました。


 乗鞍岳の手前の「道の駅風の穴」で駐車。
予定では、そこで 車中泊する予定でしたが、狭い車の座席ではなかなか寝付けません。


 どうせ、寝られないならと深夜に乗鞍観光センターまで上がることに。


到着した乗鞍観光センターは、まだ真っ暗でした。


ほとんど寝られないまま、だんだん、周りが明るくなってきました。


乗鞍エコーラインは朝6時から通れます。
5時頃に起き出して準備を始めます。


当日は、乗鞍岳のヒルクライム大会一週間前。周りでも、ロードバイクの準備をしている人がいっぱいです。
さすが、ヒルクライムのメッカです。


そして、到着した時はわかりませんでしたが、明るくなってから駐車場から見回すと、モルゲンロートに輝く、乗鞍岳の勇姿が!


今日は晴れる!
嫌が応にも盛り上がってきました!
寝不足の疲れもどこかに吹き飛んでしまいます。


いそくさと、出発の準備を整えて出発!


乗鞍エコーラインは、乗鞍岳を南側から登る道。夏の間は自家用車の通行が制限され、バス、タクシー、自転車しか通れません。


斜度は全体を通して、それほど激坂は無く。乗鞍観光センターから畳平までの距離と斜度のイメージはちょうど、表ヤビツ2本分と言えば、分かりやすいと思います。


しかし、何よりも違うのは、上に登るにつれて絶景のオンパレードということ。


他のロードバイク乗りは、ヒルクライム大会の試走なので、カッ飛んで上がって行きますが、我々には急ぐ理由はありません。ライドには目的があり、今回は絶景を楽しみに来たのですから、道しか見ず、脚付しないでTTのように登るなんて、本末転倒なのです。


ここばかりは、速く登るのがもったいないと、道中、みんな写真を撮りまくりながら、ユックリと上ります。


ちなみに、乗鞍岳では熊の目撃情報が多くあります。


熊鈴を持ってなかったので、自転車のベルをチリンチリン鳴らしながらのヒルクライムです。


道を登っていて、森の中から「ガサガサ」っと音がすると、みんなで、チリンチリン(笑)


いやーっ、下からは熊が来たら自己最速でヒルクライム出来そう。(笑)


そんなこんなで、上りますが、乗鞍エコーラインで途中で補給出来るのは、2,350mにある位ケ原山荘のみ。


補給食や飲み物はちゃんと準備が必要です。湧き水は安全が保障されていませんので、やむ得ず飲むとしても、自己責任で。





撮影 NOBOOさん


撮影 NOBOOさん

そして、ついに頂上に。たどり着いた場所は、正に非日常の世界!



ここは、昔、車で登ってきた事はあったのですが、自分の脚だけで登るとまた格別です。


それに、これまで、大弛峠、富士スバルラインを始め、景色の良いところは走ってきましたが、20kmのヒルクライムの後に「もう頂上に着いてしまった。まだ上っていたい。」と心から残念に思ったのは、ここが初めて。


もちろん、写真を撮りながら、ユックリと上がって来たという事もあると思いますが。


畳平に到着後、この際、自転車では行けない所にも上がってみたくなり、さらに徒歩で山の上に。


この日、最高標高の2,771mからの景色。
赤い屋根のところが畳平の駐車場。


そして、今日の目的地、畳平に到着。



畳平の銀山荘では、飛騨牛カレーを頂きました。山の頂上にもかかわらず、お値段も良心的。そして美味しい!


畳平には、季節がよければ、すぐ隣にお花畑と呼ばれる散策コースもあります。
木道が整備されて歩きやすくなっていますので自転車をおりて、散策するのもいいですね。


いつもは、時間がもったいないとばかりに、走り出すのですが、ここでは、動くのがもったいない気分。


しかし、他にも絶景はいくらでもあります。時間の関係から、乗鞍岳周遊は無理と判断しましたが、乗鞍スカイラインの方にも、途中まで下りていくことにしました。


そして、ここがまた絶景!そして、気持ちのいいダウンヒルのワインディングロード!


「うぉーっ!」っと叫びながら駆け下っていきます。



乗鞍スカイライン。途中までの道でも、楽しかったですが、この次に来る時は、ここを下まで駆け下りたい!


しかし、そろそろ、帰りの時間。後ろ髪を引かれつつ、帰ります。




往きに乗鞍エコーラインを上ってくる時は、雲が多く、あまり遠くは見えませんでした。しかし、神様が可哀想に思ってくれたのでしょう。


帰る時には、雲が晴れてきました。


また、下からは、ロードバイクがどんどん上ってきます。


あの山の神の森本さんともすれ違いました。

こちらはダウンヒル中だったので、声もかけられなかったのは残念でしたが。

30日の大会は頑張って下さい!



乗鞍観光センターまで、下り続けること40分。景色を堪能して大満足の乗鞍ライドが終わってしまいました。
ああっ、もっと走っていたかった!


距離は、乗鞍観光センターを出てから50kmぐらいしか走っていませんが、濃密なライドでした。


みんなに感謝!乗鞍岳に感謝‼︎


帰りは、混雑も考えて乗鞍観光センターを13時に出発。


私とNOBOOさんがドライバーで帰りますが、しかし、これまで、昨日の夜からほとんど寝ていません。


こういう時に交代で運転できるのは助かります。しかし、やはり疲れていたのでしょう。諏訪サービスエリアで大失態をやらかしてしまいました。


それは、遅い昼食を食べた後、NOBOOさんから運転を交代するべく、鍵を受け取り、お土産を買って、車の所まで来た時でした。


ポケットからキーホルダーを取り出すと、付いているはずの車の鍵が無い!
自分に何か落とした記憶は全く無いのですが、レストランから、車の所までの間で落としたに違いありません。


慌てて戻ってあちこち探しましたが、ありません。サービスエリアのコンシェルジュのお姉さんに落し物が届いてないか聞きましたが無いとのこと。


ここで車の鍵が無くなったらどうなるのか。想像するだけで恐ろしいことです。


東京のレンタカー屋に連絡して、レッカーしてもらう?
我々は、ここから電車を乗り継いで帰宅?ロードバイクはどうなる?
そもそも、荷物が閉じ込められている!


何れにしても、いつ帰れるか。いくらかかるのか?想像もつきません。
一緒に行った、HAOさん、HIGIRIさん、NOBOOさんには大迷惑です。


みんな、心配して探してくれましたが見つかりません。
落ち着いて、もう一度、通った場所を念入りに探すことにしました。
諏訪サービスエリアのコンシェルジュのお姉さんも心配して一緒に探してくれました。
優しい人です。


そして、買い物をした場所の商品棚の下などを探していた時、コンシェルジュのお姉さんが「あれっ」ととある商品棚の下に落ちていた鍵を見つけてくれました!


お土産を買った時にキーホルダーから落ちた鍵が、商品棚の下に入り込んでいたようです。


この時ばかりは、コンシェルジュのお姉さんが神様に見えて、思わず、「ありがとうございます!」と手を握ってしまいました。(笑)


みんなにも知らせて、無事、諏訪サービスエリアを出発!


良かった事といえば、先程の大事件のせいで、眠気かぶっ飛んだ事です。(笑)
これは真面目に助かった。


しかし、我々の苦難はまだ続きます。
今度は、車の大渋滞。


ただでさえ混む中央道ですが、この日は、渋滞の中で事故が多発し、帰るまでにルート上で起こった事故は4件。故障車が1台。


おかげで、勝沼から八王子まで、延べ渋滞50km。お盆ラッシュなみです。計8時間の道のりでした。(大汗)


荻窪のレンタカー屋に辿り着いたのは、21時。とにもかくにも無事に帰れて良かったです。


苦労はしましたが、今回の乗鞍岳弾丸ツアーは大満足のライド。
HAOさん、HIGIRIさん、NOBOOさん、お付き合い頂き、ありがとうございました。


今後、大人の遠足シリーズとして、毎年遠征をやりたいですね。