こんにちは、りょうです。


11月3日の祝日に、尾根幹夜練で、以前ご一緒させて頂いた「サガミハラ no ボッチチャリダー」のブログ主の輪たろうさん主催の裏ヤビツライドに参加してきました。


今回は、いよいよ、裏ヤビツフリー走行序盤編です。


フリー走行中の描写では、目まぐるしい順位の入れ替え、混乱等で、誰がどこにいるのか、あまり記憶にありません。


このため、勘違いや抜けがあると思いますので、お気づきの点がありましたら、コメントなどで、ご指摘頂けると助かります。


さて、無事、往路の班長の責務を果たした私。
これからは各自フリー走行で裏ヤビツを楽しみます。

 
各自のタイミングで宮ヶ瀬湖園地を出発した一行は、まずは、宮ヶ瀬湖からヤビツ峠へのわかれ道に向かいます。

撮影 HAOさん

途中、道路工事の車線規制があり、最初に出発した第一集団と私がいる第二集団が、合体。


やがて、ヤビツ峠への入口に到着。
ここを右折して、いよいよ、裏ヤビツに入っていきます。


速度は25km/h。
「気温もちょうど良くて、風が気持ちいいですねー。」「上は更に紅葉が綺麗でしょうね。」
…会話が弾む。


やがて速度は30km/h。
「ここはねー、斜度もないから、ユルポタにいいですよ。」


そして、35km/h。
「あれっ、後ろ来てないです…。」


ついに、35km/h+α。(サイコン見てない)
「…………」


会話が無くなり、みな、黙々とペダルを漕ぐ。


先頭はborikoさん。ふぁっつさん、あきあさん、borikoさんのパートナーのデゲンコさん、私、スカイロードさんと続く。


borikoさんは、歳はわからないが、私と同様、既にアラフォーは過ぎていると思われる紳士だ。
しかし、若いロード乗りに、決して引けを取らないチャレンジング紳士である。先日も、みつさんのクリテ選手権に参加し、勝負を挑んでいた。


そのborikoさんが高速で引き続ける。
さっきのヤビツ峠入口の信号では、青のうちに、第二集団までが曲がり、モモタロウさんやコーラさん、デロさんといった豪脚メンバーは来ていない…。


何が起こってるんだ?
頭の中で状況を把握する…。


「これは、逃げだ…。」


楽しい会話のグループライドをしていると思っていたが、いつの間にか、逃げ集団と化していた。


borikoさんの高速列車で、裏ヤビツを駆け上がる。


午前中のこの時間帯、上から降りてくる車やバイクは少ない。しかし、路面は、前日の雨で、湿った落ち葉が所々に溜まっており、声やハンドサインで注意喚起しながら進む。


道はやがて、アップダウンが激しくなってくる。これまでトレインにピタリと張り付いていた、デゲンコさんが遅れる。


「私、坂になるとスピードが落ちるので、先に行って下さい!」


デゲンコさんが、後ろの私に叫ぶ。


前を見ると、borikoさんはスピードを緩める気配はない。


パートナーを切り離しても、勝ちを求める勝負師の冷徹さか…。
それとも、パートナーへの信頼か…。


デゲンコさんとは、奥武蔵グリーンラインでご一緒したが、あの峠の連続する道を男性に混じって走破した女傑である。


一時的に男性陣に遅れることがあっても、安定したペース走法で、いつの間にか追い付いて来ていた。


デゲンコさんなら大丈夫だ…。
「前に出ます。」

速度を上げて、あきあさんの後ろにつく。


しばらく走っていると、前を走るあきあさんのロードバイクから、きぃー、きぃー、と異音がしだした。


あきあさんから、「前に出て下さい。」と言われる。


やがて、トップ集団は、borikoさん、ふぁっつさん、私、スカイロードさん、そして、追いついてきたデゲンコさんになる。


実は、borikoさんは、裏ヤビツは初めてらしい。情報として、気まぐれ喫茶から先の坂がキツイというのは知っている。


やがて道が180度ターンする塩水橋にさしかかる。borikoさんが、「ここが気まぐれ喫茶?」と聞くが、「まだ半分くらいしか来ていない。」と答える。


それを聞いて、borikoさんのペースがやや落ちた。ここまで引き続けた、borikoさんに代わって前に出た。尾根幹練の成果か、久々の裏ヤビツは脚が良く回る。


調子良く上がっていく。やがて気付くと、私とスカイロードさんだけになっていた。


しばらく2人で走るが、カーブ毎に後ろを振り返っても、誰が来る気配が全くない。みんなどうしているのだろうか。


やっぱり、裏ヤビツなんだから、紅葉を楽しみつつ、ゆるぽたしているのだろうか?


するとだんだん、何だか、1人で張り切っている自分が恥ずかしくなって来た…。


表ヤビツならいざ知らず、裏ヤビツなんかで全開で走ってる人見たことないぞ…。


スカイロードさんに、
「この先の札掛橋には、道が別れるところがある。裏ヤビツが初めての人もいるから、そこで待とう…。」
と提案する。


「そうしましょう。」
スカイロードさんが答える。


ここまで、結構ハイペースで走ってきたから、休憩にはちょうどいい…。
そんな事を考えながら、ペースも落として、気持ちと身体は休憩モードに入る。


「札掛橋までもう少し。これで休憩できるな…。」
そんな事を考えていた時だった…。


突然、後ろのスカイロードさんが「後ろっ、来たーっ!」と叫んだ。
その刹那、何か黒い塊が「ゴゥッ!」という音とともに、後ろに迫る。


とっさに、車が来たと思い、左に避けると共に振り向くと、そこにはデロさんがいた!


我々に、ヤビツ峠入口の信号待ち何回分のマージンがあったかはわからないが、デロさんは、物凄い勢いでそれを詰めて来ていたのだ。


しかも、たくさんの刺客集団を引き連れて…。
ライド序盤の私の引きなど、デロさんの脚には関係無かったのだ…。


誰だ!紅葉を楽しみつつ、みんなゆるぽたしてるなんて言ったのは…。


……デロさんは後で語った…。
「裏ヤビツに入ると後ろから物凄いプレッシャーを掛け続けられて、ペースを落とせなかった。とにかく、先頭に追いつくまでは頑張ろうと思った。りょうさんの背中が見えた時、これで助かったと思ったよ…。」


いゃ、あの…。普通、デロさんに全力で引かれたら千切れちゃうんですが…。


狭いワインディングロードという条件もあるが、あのデロさんを運び屋にするとは、なんという人達…。


「追いついた!あとはよろしく!」
とデロさんが叫ぶ。


一瞬、「何をよろしくされたんだ?」と混乱するが、お願いされたのは、私ではなかった。


「ガァッ!」
デロさんの影から、一台のロードバイクが飛び出す!コーラさんだ!


コーラさんは、モモタロウさんと並ぶ豪脚の持ち主。


今回の班分けは、脚削れ指令が出ていた、1班、2班と違って、3班はニュートラル班。4班はゲスト班だった。


しかし、輪たろうさんは、何故かコーラさんを3班に組み入れていた。


理由が分からなかったのだが、ようやく理解した。コーラさんは、刺客に対する刺客として、脚を温存されていたのだ。


我々もまた、輪たろうさんの掌の上で踊らされていたに過ぎない。
恐るべし、戦略家の輪たろうさん!


コーラさんが飛び出す。それにしても、すごい速度差だ。あっという間に前に出る。休憩モードに入っていた心と身体は、とっさに反応しない。


そして、もう一台のロードバイクがすぐその後に続く。諦めないチャレンジャー紳士、borikoさんだ!


borikoさんが振り向きざまに、
「これに乗らないとダメですよ!」
と叫んでくれた。


おかげで、我にかえれた。
身体に染みついたエンデューロレースの経験が活かされる。
ダンシングのフル加速で追いすがる!
なんとか、コーラさん列車に飛び乗った。


後ろにも、何人か続いているようだが、振り返る余裕は無い。そのまま、高速で引っ張られ、休もうと思っていた、札掛橋を通過する。


休むどころか、今は更に速い高速列車に乗っている…。このちゃぶ台返し的な状況変化は精神的ダメージが大きい…。


札掛橋を過ぎると、それまでの緩やかなアップダウンは終了し、いよいよ上り坂区間に入ってく。


ふと、先頭を引くコーラさんが、後ろを向いてこう言った…。


「ここからが、本当の裏ヤビツですよ…。」



つづく…。
次回、クライマックス!ついにあの人も登場!
果たして私は生き残れるのか…。





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