こんにちは、りょうです。


紅葉真っ盛りの日光ライドの最後は、赤城山夜の峠編です。


片品村まで戻った後は、のぼうさん、スカイロードさんと一緒に赤城山麓の峠を通って帰ることになりました。


時刻は17時頃。
既にあたりは暗くなってきています。
その日、10月22日は、オリオン座流星群のピークの日だったようで、夜の山の中で見えたらいいなと思っていましたが、あいにくその日は曇り。


月明かりはもちろん、星明かりも望めそうにありませんでした。

最初は薄暗かった山道も、走っている間に、どんどん暗くなっていきます。



夜の峠を走ったことがある人はわかると思いますが、昼の峠と夜の峠は雰囲気が全然違います。


個人的な感覚かもしれませんが、単に明るさの問題だけでなく、「気配」が違うのです。


よく森の中で、時々視線を感じる時は、動物から見つめられているから、なんて話を聞いたことがあるのではないでしょうか。


私も以前、山中湖からの帰り道、山伏峠を越えてすぐにタイヤがパンクしてしまい、夕闇が迫る中、誰もいない峠道でパンク修理するハメになってしまいました。
その時、修理している間、ずっと誰かから見つめられている気がしていて、おまけにそれまで晴れていたのに、急に雨がポツポツ降り出したり。気味が悪くて、

「とにかく暗くなる前にここを脱出しなければ」

と、ものすごく焦った経験があります。


昼の峠であれば、山奥であろうと、鳥を除けばあまり動物の気配を感じることはありません。
しかし、夜の峠は、そこかしこに動物の気配を感じます。


今回の峠でも、道路の脇の森の中から、野犬が吠えるような鳴き声がしたり、鹿のような鳴き声がしたり。
しかも、遠くからとかいうのではなく、道のすぐ横の森の中からするんですよ。


「なんか、まわりにいるな。」
という気配がビンビンします。


ある時は、すぐ横の暗い茂みでガサガサッ!という少なくとも犬か猿くらいの大きさの何かが動く音がして、思わず「うわーっ!」と叫んで、前を走るスカイロードさんの所に行こうと、フルダンシングで逃げたんですが、スカイロードさんも速くて追い付けない時の絶望感…。


出てきたのが、猿くらいならいいけど、熊とかだったら洒落にならん。



そうした不安に駆られつつ、最初こそ、ある程度まとまって走っていたのですが、だんだん3人のペースがバラけてしまいました。


スカイロードさんは、私の前を先行して走っており、のぼうさんは後ろから。


最初はスカイロードさんと一緒に走っていたのですが、暗くなってから、のぼうさんに何かトラブルがあった時に、暗闇に一人取り残すことになるのはまずいだろと思い、のぼうさんのライトが見える位置をキープして走るようにしました。


そのため、3人で走ってはいるものの、スカイロードさん、私、のぼうさんが、それぞれ100m以上離れて、単独で走るという状況に。


私も、のぼうさんのライトが見えると言っても、曲がりくねった峠道では、見えなくなることがしばしばで、そうなると自分のライトが照らす範囲以外は、本当に真っ暗です。


まさに漆黒の闇。後ろを振り向いても何も見えない。文字どおり闇を背負って走ってる感じです…。


しかし、それを意識すると恐怖に呑み込まれそうな予感があったので、とにかく見える所だけに集中して、ひたすらにペダルを回していました。


余計なことは考えない。
夜の峠を走るコツかも知れません。


暗闇の中から、何か人が咳き込むような声がした気がしたけど無視!
何か横で気配がしても無視!


しかし、そんな中、無視できない出来事が…。


走ってる最中に、突然、私の肩が後ろから

「ぽん」

と何かに叩かれたのを感じました。
一瞬振り返りましたが、闇があるのみ。


思わず、「やめてよ!もう!」
という言葉が口をついて出るほど自然な「ぽん」でした…。


葉っぱが落ちて来て当たったにしては、重い感触だし、枯れ枝が落ちて来たにしては、柔らかい感触…。

逃げたいけど、逃げられない。
そういう極限状態だと、人間考えるのをやめますね。


「あれは何だったか?」とかいうことは考えずに、ひたすらにペダル回します。


やがて、峠に到着すると、スカイロードさんが、待っていました。


スカイロードさん
「いやー、夜の峠は動物がいっぱいいますね。鹿の群れに、二、三回会いましたよ。なんか付いてくるんですかね。」


「確かに動物の声が周りでしてましたね。あれは鹿だったのか〜。」


さっきの体験は、敢えて言わなかったというより、考えないようにしていたので、言うつもりもありませんでした。


そうか、スカイロードさんの周りでも、色々あったんだな。私は暗闇で全然見えなかったけど。


でも「付いてくる!?」

いや、考えない。考えない…。

やがて、のぼうさんもやって来ました。


のぼうさんは止まらず、そのまま峠をかけ下ります。

スカイロードさんも続き、私は一番最後。
遅れて夜の峠に1人で取り残されるは嫌だから、必死について行きます。


でも、夜道の一番最後って凄い不安。
カーブに進入する時、ついつい癖で、後ろを確認してしまうのですが、暗闇で何も見えないし…。


何か暗闇に追われているような気分。
さっきは真っ暗闇に1人でも、後ろにのぼうさんがいると分かっていたから、まだ耐えられたんだなと思いました…。 


しかし、夜の峠を下っているうちに別の不安が…。


道が暗く、また音もしない自転車の前に、鹿とかイノシシが道に飛び出して来て、ぶつかったら吹っ飛ぶなと思うとスピードが出せない。


でも千切られて一人になるのも嫌だったり…。(笑)
いろいろな不安を感じた夜の峠のダウンヒルでした。


その後、峠を抜けて、なんとか無事に人里のコンビニに到着!


みんなで休憩している時に、のぼうさんがこんなことを言いました。


のぼうさん
「いやー、山の中って不思議なことがあるんだね。いやね、峠を上っている時、りょうさんとスカイロードさんの会話の声が前からじゃなくて、横や後ろから聞こえるんだよ。山の反射なのかな。不思議だなと思った。」



顔を見合わせる私とスカイロードさん。

「ボク達、お互い離れて走っていたのでほとんど会話していないんだけど…。
峠でのぼうさんを待つ時に二、三言しか話してませんよ。」


のぼうさん
「……。」
「怖いから、会話してたってことにしておいて…。」



夜の峠は色々あるようです。

しかし、すべての場所がそうという訳でもないような気はします。
夜の山にも行ったことはありますが、爽やかに感じる所もあれば、禍々しくて近づきたくないと感じる所もありますしね。

いずれにせよ…。

私は、ブルベの時も夜の峠は1人で走らないと決心いたしました!
誰が一緒に走って!


その後は、途中でスカイロードさんと別れ、のぼうさんと太田まで一緒に走りました。


途中、私が先頭で交差点に入った時(もちろん青信号)、対向車が減速もしないで突っ込んできて、急ブレーキをかけるというハプニングがありましたが、無事、太田駅に到着。
電車に乗ることができました。


帰りは、乗り換えた電車が半蔵門線直通でした。
私は、道の関係で半蔵門で降りましたが、時間によっては、渋谷から東武線に接続できるのですね。


今回のライドでは、秋の紅葉を存分に楽しむことができました。
のぼうさん、スカイロードさん、ご一緒して頂きありがとうございました!


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