こんにちは、りょうです。


BRM109はとバスブルベ実走編です。
今回のブルベは、HIGIRIさん、Bmaxさんと一緒に走る予定でした。


しかし、Bmaxさんは、奥さんが熱を出して寝込んでしまいDNS。
いや、これは仕方がない…。


HIGIRIさんも雨が止まないためDNSとのこと。
HIGIRIさんは1月1日のBRM101三浦200で既に200kmのメダルを獲得しているので、ここで無理をすることはなく、やむを得ないでしょう。


まぁ、ブルベというものは、本来一人で走るものですから、覚悟を決めます。


当日は朝3時に起きて、4時過ぎに自宅を出発。スタート地点の駒沢オリンピック公園に到着したのは、受付開始の5時少し前。


そこにいる出走者は、私の他はもう一人だけ。
彼は、20歳の若者で、ブルベの折り返し地点の二宮の先の方から、このブルベの為に自走で来たらしい。


昨晩は友達の家に泊まって来たとのことでした。
ロードバイクには乗り始めて半年で、今回が初めてのブルベ参加とのことでした。 


彼をA君と呼ぶが、彼とは、その後ずっと一緒に走ることになる。


相変わらず雨が降り続く。集合場所は陸橋の下になっていて、雨は避けられるのはありがたい。
しばらく待つが、10分くらいしても出走者らしき人は誰も来ない…。


A君と「まさか二人だけじゃ無いよね。」
と苦笑いする。


5時を過ぎ、受付が始まったので、宣誓書と引き換えにブルベカードを受け取る。
ブリーフィングは、5時30分からとのこと。


しばらく経つと、出走者が続々とやって来た。
このブルベの出走者登録は、71名であったが、当日来た人は半分くらいか。


しかし、この雨にもかかわらず、ウィンドブレーカーだけで、レインウェアも着ていない出走者も多い。
確かにレインウェアを着ると走り難く、中で汗をかくと余計に冷える。


この後雨も止む予想であることから、軽装備で走ろうということだろうか。
なんだかブルベ慣れした人が多いように思えた。


そういえば、A君もレインウェアを着ていない。「レインウェアは?」と聞いたら、「持ってきていない。」との返事だった。


この冬の雨予報の中、レインウェアも持って来ないとは…。若いって凄いな。
ブルブル震えてるけど大丈夫か…。


私の当日の格好。寒がりなんでフル装備です…。


5時30分、ブリーフィング開始。
ルール、コース上の注意点などについて説明がある。
その後、車検が始まり、終わった出走者から、順次スタートとなった。


私も車検を受けて、A君と一緒に出発。
まだ雨は止んでおらず、雨中でのライドである。


信号待ちの度に出走者の集団ができ、しばらくトレインを組んで走る。
雨のライドだと、前走者の後輪で跳ね上げる水しぶきが飛んで来るので、真後ろではなく少しずらして走る。


今回、雨中ライドの為に準備したゴム手袋、シューズカバーは快適である。
特にゴム手袋は寒さも感じず、蒸れもそれほどでもなく良かった。
レインウェアとの組み合わせで、雨に濡れるのは顔だけ。
顔もフェイスカバーをアゴから首にしていたので、首元からの雨の浸入はほとんどなかった。


 スタートからしばらくは平坦なコースだったので、ペースが合うトレインの後ろに付く。
巡行する分には、この服装はちょうど良い感じだった。


しかし、中原街道に入り、坂が出で来ると、段々暑くなってきた。
幸い雨も弱くなってきたので、レインウェアと、その下のジャケットの前ジッパーを開けて温度調節をする。


中原街道でアップダウンを繰り返すうちに、トレインの人数は6〜7人に絞られてきた。その中にはあのA君もいて、私の後ろに付いている。


もちろん、速い人は、もっと既に先の方に行っている。


このグループの先頭を引くのは、初めはRCCを着た3人組のトレインであったが、途中で私が先頭に出る。


A君は、「僕、道が分からないので前を引けないんですよね。」と後ろについている。


別に構わないけど、
「じゃあ、二宮からの帰りの134号線は鎌倉まで一本道なので、引いてもらおうかな。」と考える。


また、A君は「上りは得意なんですよ!」と言って、坂になると飛び出して先の方を走って行く…。
坂が終わるとまた後ろに戻るという感じだ。


「そんなに焦らなくても、この先まだまだいっぱい上がるから。」
と言っておく。
…若いな。


中原街道を南下するにつれて、晴れ間が見えるようにはなってきたが、雨は弱いながらも降り続いている。


今宿で国道1号線に出れば、二宮まで道なりである。
追い風だったので、順調に二宮の第1CPに到着。
ここまで無休憩だったので、ようやく、レインウェアを脱げた。


補給食は、オニギリとプリン。
先日の茶川探検隊のワンイチライドで、こもごもさんから、プリンはカロリーが高く、直ぐに食べられて、脚のエネルギーになるのも早いということを教えてもらった。


その時、ペースが上がらずフェリーに遅れそうになった茶川さんが、プリンで復活して、フェリーに間に合ったという、プリン効果を見て、今回は補給食には毎回プリンを入れると決めていた。


今回に走りのどこまでがプリン効果かは分からないが、素早く補給できて、脚もたれなかったのは事実だ。


コースは二宮で折り返して三浦海岸に向かう。しかし、ここまで追い風という事は、帰りは向かい風ということである。


大磯から国道134号線に入れば、海沿いはそれなりの向かい風だろうから、辛そうだなと思いながら、二宮を出発。 


そうだ!134号線に入れば一本道。

道が分からないA君でも前を引けるから先頭を交代で回すようにお願いしよう。

と思って、振り向むく…。


A君、
「いや〜、来る時の坂で頑張りすぎて、脚がタレちゃいました〜。やっぱ、ペース配分考えなきゃだめですね〜。ちょっとペース速すぎません?」


「……。」

「…いや、もっと後ろにくっついて風避けたら楽になるから…。」


若いっ、若いよ、A君!

この平坦区間で稼がないと後がヤバイから。
もう俺が引き続けると覚悟を決めました…。


国道134号線を走っているうちに、もう一人がトレイン参加。彼(B君)とは往きも一緒だったが、これ以降、最後まで一緒に走ることになる。


B君はこのブルベに参加するために長野から来たそうだ。年はやはり20代であろう若者だ。B君もブルベは今回が初めてだそうだ。


大磯から鎌倉までは、このコース唯一と言える長い平坦区間なので、ペースを上げて時間を稼ぐ。
A君には申し訳ないが、付き合ってもらった。


逗子を過ぎると、三浦半島にかけて、段々と上って行く。
相変わらず風は強い。そして雨も止まない。気温も上がらない。
CPで休憩する以外はひたすら漕ぐ。

「何やってるんだろ俺…。」

という想いが交錯する。


そして、第2CPの三浦海岸に到着。


ここでも、補給食はオニギリとプリン!
なお、今回のブルベでは、CP間隔が長い所は、途中でエネルギーゼリーを自転車に乗りながら補給した。


三浦海岸のCPを出発するが、ペースは順調。
この前の試走より休憩が少ない分、30分くらい早い。


しかし、まだ、何があるか分からないので、引き続きこのペースを維持して走る。


A君が、

「あ〜、脚がつりそうっす!」

と後ろからアピールして暗にペースダウンを要求するが、申し訳ないがブルベはグループライドではない。
トレインに残るも、離脱するのも最後は自由、自らの判断である。


私も千切るような走り方をするつもりは無いが、かと言って全員で走ることが最優先でもない。


そこは勘違いしないように、攣りそうな太ももの前側ではなく、脚のお尻側の筋肉を使うペダリングの仕方を教える。


また、本当につったら、足つり治し用の漢方薬を携帯しているので、必要ならあげるから言ってくれと伝える。


もちろん、このまま湘南国際村の坂に突入して、A君の脚が攣って動けなくなることは避けたいので、心持ちペースを落とし気味に走る。
坂はもとよりゆっくりと上がってるから大丈夫だろう。


やがて、湘南国際村への上りに入る。
このコース唯一の山らしい上りである。


私は上りはゆっくり上がるが、
A君は後ろから、

だあっ!

っとペースを上げて追い越して行く…。


おいおい、脚攣りそうなんじゃなかったのか?


と思うが、それだけ踏めるなら、脚は復活したのだろう。安心した。(笑)


やがて、田浦に抜けて、八景島方面への道を走っている時だった。


A君のフロントタイヤがパンクした。
尖った石でも踏んだのだろう、タイヤに小さい切れ目が入っていた。


やはりこういうことがあるので、時間的な余裕を作っておいて良かったと思う。

「換えのチューブは?」

と聞くと、

「持っていない。」

という予想外の返事…。
それどころか、パンク修理キットもポンプも持っていない。

「このまま行きます。」

と言うので、思わず、

「それはダメだ!」

と声を上げてしまった。
残り約80km。パンクしたタイヤで走れるはずもない。


200kmのブルベに出走しようと言うのに、予備のチューブ、パンク修理キット、ポンプも何も携帯していないのは無謀だ。


私はチューブラータイヤなので、クリンチャータイヤは助けようが無い。
もはや、A君を最寄の駅まで連れて行って、輪行で帰らせるしかないと思った。


しかし、幸いB君が、二つある予備のチューブのうち、一本を提供してくれた。


若さ故の無謀さか…。
しかし、私も若い時は無謀な行動で周りの大人に助けられていたのだろうということを思い出し、色々教えながらA君をゴールさせてやるのが、私に課せられた使命のような気もしてきた…。


よーし、最後まで付き合うか。
何でも来いや〜!
と、この際思い直した…。


A君、
「僕、パンク修理やったことないっす。」

「やってもらった方が早くないっすかね?」


「⁉️」

私もB君も聞こえない振りをした…。

B君とこの瞬間分かり合えた気がした…。


その後、私とB君でA君にパンク修理を指導。
チューブを入れ換え、タイヤとリムの間にかんで無いかをチェックしてもらい、私のCO2ボンベで膨らませた。
幸い、一発で修理完了した。


しかし、B君にとっても、大事な予備のチューブだ。
このチューブで再びパンクした場合は、A君には残念だが、リタイヤを選んでもらうしかない。
B君のチューブの提供が無ければ、どのみちDNFだったのだから、仕方ないだろう。


しかし、幸いなことにその後、パンクはなかった。


再び走り出し、八景島から並木辺りに差し掛かる。ここから16号線の方に抜けて行くのだが、この辺りは先日の試走で道を間違えて、上らなくてよいキツい坂を上がってしまった所だ。


三浦海岸での休憩の時は、まだ雨がパラついていたので、スマフォは背中のバックパックの中。キューシートもバッグの中だ。


キューシートをフロントバッグに貼りつけていたB君に確認しつつ走る。
おかげで無事、正しいルートで16号線に抜けられた。


やはり、スマフォかキューシートはケースに入れてすぐに見られるようにしておく必要がありそうだ。


そしてしばらく走って、横浜の睦町の第3CPに到着する。
ここでは、先日ハンガーノックになりかけた国道一号線のアップダウンに備えて、がっつりと食べる。


時間は午後2時。この前の試走では、同じ時間でまだ湘南国際村の上のコンビニにいたことを考えると、ペースは、途中のパンク修理の時間を入れてもそれなりの余裕ができた。


天気も雨は完全に上がった。
今のペースで3人とも順調に走っている。
無理をする必要はないが、ペースはあまり変えずに走ろうと思う。
この先まだ何が起こるか分からない。


横浜を出て、国道一号線を北上する。
風は相変わらず向かい風だ。
がっつり食べたおかげか、今回はハンガーノックの兆候はない。


この頃になると、他の出走者はバラけてしまって、ルート上はもちろん、CPでもあまり会わない。


横浜を出て、国道一号線を淡々と走る。
東京に入っても、いろんな坂が出てくるし、間違えやすい細かいルートであるが、「知っている。」というのは、なんとありがたいことか。


走行中、写真を撮る余裕も出てきた。


そして、無事、靖国神社前の第4CPに到着。


そういえば、今日は成人式の日であった。街中には、着物を着た新成人があちこちに歩いている。


A君は、ちょうど20歳!
正に今日が成人式の日であるが、ブルベで成人式を走ることを選んだという。


なかなか、チャレンジングな若者だ。
感心する。
今日の経験を学んで、是非大人のロード乗りになることを切に願う。


ここまでくれば、最後のCPまでは11km程度。最後の補給を済ませる。
時間は16時45分くらい。


時間制限迄にはかなり余裕があるが、この際、12時間を切りたくなって、食べ終わった後、速やかに出発した。


ブルベは時間を競うイベントではないことは理解しているが、せっかくの達成可能な機会を逃したく無かった。


A君はここでゆっくりしたいと言っていたが、あと少しなのでということで申し訳ない。


どうも、エンデューロレース的な思考が抜けないな…。


夕暮れの都心を駆け抜ける。
急坂はいろいろ出てくるが短いので、勢いをつけて乗り切る。
A君、B君も短いスプリントクライムにも付いてくるので、脚は余裕がありそうだ。
完走が見えてきた。


そして、世田谷の最後のCPに到着!
時間は17時45分頃だった。



A君、B君と共に健闘を讃え合う。

お疲れ様でした〜!

みんな今後とも今年のブルベに出るつもりだというので、また何処かで会えるかもしれない。


A君、
「いや〜、今回は大変だったっす。
次はもっといいタイヤが買いたいですね。」


B君、私、
「いや、その前にチューブとポンプを買いなさいっ!」


会話もなしに気持ちが通じ合う瞬間を1日に二度も体験するなんて、今日は得難い日だ…。


その後、ゴールの駒沢オリンピック公園に移動。
ブルベカードとレシートを提出して、11時間47分?で認定を受け、200km完走のメダルをもらった。


ゴールでは、運営の方から、暖かい飲み物とお菓子のサービスを受ける。
冷えた身体にありがたかった。


いや〜、しかし今回のブルベはいろんな意味での試練を乗り越えられたようで満足感を得られた。
200kmでこれなら、300km、400kmはどうなるかとか今は考えたくないけど。


A君もB君も初めてのブルベを完走できて同じ気持ちだろう。
個人競技という立場に立ちつつ、最後まで助けあって完走できたのは素直に嬉しい。


誰でも初めてはあるし、そういう時に人の世話になることはいくらでもある。
大事なのは、学んで成長することだ。


自分も正に同じであったので、今回は、僅かながらも昔受けた恩への恩返しもできたような気もするし、同様に今回も学ばせて貰った。


新しい世界に飛び込んでくる人を助けてあげる環境であって欲しいと思うので、自分もその一員でありたいと思う。
まあ、所詮、自己満足の世界だから、お礼や感謝が欲しくてやってるわけではない。こうやって望む環境を繋いでいければそれでいいのだ。


家に帰って、暖かい場所にいられる幸せを感じながら、次のブルベのことを考えていた。


次はどのブルベに出ようかな。
(`・ω・)bグッ!



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