雨のBRM513北関東400(中編)です。
2回目のパンク修理を終え、走り出してすぐでした…。
パチン!シュル、シュルル〜!
2回目のパンクと全く同じ弾けたような音と共に3回目のパンクです。
その時、道は荒れていない舗装。
何かを踏んだような感触もなく、2回目のパンクから1kmも走っていない…。
何か気づかない原因がある事だけは分かりました。
しかし、原因を考えたところで、もうチューブはありません。
ブルベ3回目にして、遂に、DNFを覚悟しなければならない時がやってきました。
身体はまだ元気なのに、機材のせいでDNFというのは、正直悔しいです。
今回、チューブは少しでも軽くしょうと、マキシムのライトウェイトという軽いチューブを使っていました。
軽いということは、チューブが薄いということで、パチンという何かが弾けたような音は、何かが原因でチューブが空気圧に耐えられず穴が空いたのでしょう。
CO2ボンベで空気圧を高圧にし過ぎたか…。昔、クロスバイクに乗っていた時に、同じように軽量チューブで何度もパンクしたことがあり、それが頭をよぎりました。
パンク修理キットは持っていましたが、裂けるような穴は塞げません。
軽いチューブが仇となったか…。
今度からブルベの時は、重くても丈夫なチューブにしよう…。
今更反省してもしょうがないですが、そう思わずにはいられませんでした。
時刻は23時15分。
マップを見ると近くに東武日光線の東部金崎という駅がありましたが、この時間ではもう電車は動いていないでしょう。
幸いなことに、すぐ目の前にコンビニがありました。
この郊外の田舎道で、パンクした場所がコンビニの目の前というのはある意味、奇跡…。
朝までコンビニで過ごし、朝になったら駅から輪行で帰る…。
今回は、オール自走の予定でしたが、念のため輪行袋も持ってきてよかった。
まあ、全く周りに何も無い場所で、こうした状態になるよりは、遥かにマシな状態なんだろう。
「まずは主催者にDNFの連絡を入れなければ…。」
そう思いながら、道からコンビニの敷地に入って歩き出したまさにその時…。
「どうしたんですか〜?」
と後ろから声が…。
振り向くと、なんと最初に一緒に走っていたKさんでした。
「パンクしました。残念ながら、既に二本の予備のチューブを使い切ったので、DNFです…。」
「チューブなら予備を持ってるので差し上げますよ。」
400kmのブルベでチューブの予備がどれだけ重要なものか、身に染みています。
「いえ、400kmのブルベで大事なチューブをいただくのは申し訳無いので…。
お気遣いありがとうございます。朝になったら輪行で帰りますので、大丈夫です。」
「大丈夫ですよ。ブルベにはいつも二本チューブを持っていて、一本は自分用、もう一本は、こういう場合に他の人にあげる用なんです。」
「雨があがったので、暑いからどこかで雨具を脱ぎたいと思っていたら、コンビニが見えたので。ちょうど止まれて良かったですよ。」
すっかりDNFを覚悟していたのですが、そう言ってもらえると、これでまた走れるという想いが出てきました。
「ありがとうございます!
チューブをいただけますか。いや、買わせてください!」
1日に3回パンクするなんて、これまでのロードバイク人生、いや自転車人生で初めてだと不運を嘆いていたが、捨てる神あれば拾う神ありとはこのことなんだろう。
3回目のパンクでDNFを決断。
そして間髪入れずに、Kさんと再会する。
これも奇跡ように感じた。
チューブをもらう。
今度のチューブは普通の重いチューブである。
しかし、今回はそれが頼もしい。
これまでのパンクの原因は分からないが、これでなんとかなるような気がした。
CO2ボンベの提供も言ってくれたが、辞退して、あえて携帯ポンプで空気を入れる。
念のため、あまり空気圧を高くしたくなかったからだ。
これ以上はないというほど、丁寧にパンク修理を行った。
200回ほど、ポンピングして空気を入れた。
普通に走る分には問題ないが、いつもよりはリアの空気圧は低いので、段差では抜重するなど丁寧に走ろう。
さあ、修理も終わって、出発というところで、Kさんのナビが不調になる。起動しなくなったらしい。
パンク修理中に、立てかけ方が不十分だったか、Kさんのロードバイクが独りで倒れた。
直接地面にナビが当たった訳ではないが、何かの衝撃か影響したのかもしれない。
ルートは、私のハンドルに取り付けたスマフォのルートナビで確認できるので、私が先頭で一緒に行くことにした。
ちょうど夜の山道を独りで走るのは不安だったので、同行者ができて安心である。
Kさんと話しながら走る。
今日は3回もパンクして不運だったと言ったら、Kさんが小山の手前であった人は、リアディレイラーハンガーが折れてしまってDNFしたらしく、リカバー出来ただけマシとのことでした。
その後は、何事もなく順調に走り無事、折り返し地点の宇都宮の森林公園に到着。
時刻は、深夜0時30分頃でした。
ここでは、コンビニでは無く、森林公園にある管理事務所のある所での、有人チェックポイントです。
ブルベカードとこれまでのPCでのレシートを提出して、チェックを受け、時間を記入してもらいます。
嬉しいことに、サポートポイントも併設され、ブルベ参加者のロードバイクのメンテナンスも受け付けていました。
私も念のため、予備のチューブを一本購入。これで帰りも安心です。
また、先ほどは携帯ポンプで空気を入れたので、ここでフロアポンプを借りて、適正な空気圧まで空気を入れました。
でも、今から考えれば、予備チューブは二本買うべきでした…。
その時は、この後、まさか4回目のパンクに襲われるとは思ってもいませんでしたから…。
次回、果たしてブルベは完走できるのか。完結編です。
コメント